回復、そして退院

術後の傷の痛みを乗り越え、自力で体を動かすことに慣れてくると、その後はとっても楽でした。

 

毎日3回赤ちゃんの心音を確認しながら、あとは退院日まで過ごすだけです。

 

体がほぼ回復してきたある日、廊下を歩いていると遠くから子供のぐずるような声が聞こえてきました。

 

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下の階は小児科があったから、きっと注射かな?なんて思っていたら、だんだんその声が大きくなってきて…

 

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瞬時に出産中の女性の声だと気付きました。ものすごく辛そうな声に、3年前息子を産んだ時の記憶が蘇りました。そういえば私もあんな風に叫びまくったっけ…

 

産後は「痛くて痛くてもう出産なんか無理無理!!子供は一人っ子で勘弁してちょーーーだい!!」なんて夫に言ってた私。

 

そんな私も時間が経てば、出産の痛みも忘れるもんなんですよね〜。今回は妊娠のおかげで腫瘍に気づくことができたし、お腹の子に感謝ですね。

 

 

 

 ですが、手術が無事成功したのは良かったけれど、ショックなのは傷跡。

 

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これから赤ちゃんが大きくなるにつれて、お腹の皮も伸びるので、傷跡も大きくなってしまいました。

この手術から1年経った今、だいぶ色が薄くなりました。今でも傷跡を見るたび気持ちが落ち込んでしまいます。本格的に傷の治療をしようか、迷い中。

 

そして入院日から10日後に退院しました。

久しぶりの外の空気にドキドキ。

 

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入院中は大変なこともあったけれど、10日間の一人の時間はとても新鮮で、術後の体が楽になってきてからはむしろ楽しいとさえ感じてしまいました。

 

腫瘍がわかり、入院するまでの間は不安でいっぱいでした。毎日のようにネットで腫瘍のことや手術のことを調べていました。同じような経験をした方の体験談を読み漁り、とても参考になり、勇気を貰えました。私も同じような状況の方のために、この体験談をブログで発信して少しでも役立ててもらえたらと思いました。

 

卵巣腫瘍は女性の約4人に1人はなると言われる病気です。実際に私の周りでも何人かいます。

なので絶対に絶対に婦人科検診は受けましょう!

定期的に受けてる方も多いと思いますが、私のように全く受けていない方、自分は大丈夫だと謎の根拠がある方がいるはず…(笑)

私のように妊娠と同時にわかる方も多いみたいなので、この場合は結構厄介です。

 

婦人科検診は絶対に受けましょう…

 

 

 

引き続き、無痛分娩編に行きます🙋🏻

手術後3日目、歩行練習

術後の激しい痛みに2日間耐え、次の日の朝はだいぶ痛みが和らいでいました。

 

この日はフットポンプや導尿チューブが外れ、ベッドから降りてトイレに行く練習をしました。

寝たきり生活からやっと自由に動けるようになるんだと思うとテンションが上がりました。

 

ですがベッドから起き上がるだけでも、ズキズキ痛い。日頃の些細な動きでも、お腹の力を使ってるもんなんだなと気付きました。

 

痛みに耐えながら上半身を起こし、ベッドから降り、ガニ股でゆっくりゆっくりトイレへ…

 

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トイレで排泄する時にもまた痛い。

 

それと笑った時も当然痛いので、面会で夫や母が来た時、ツボの浅い私は大変でした。

 

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動くことに慣れてきた頃、担当の看護師さんと出産の話になった時

 

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と言われたことが軽くトラウマになりました。

一人目は普通分娩で出産しましたが、次も経膣分娩できるとは限らないですよね。逆子になる事だってありますし。

一度切って縫った腹をまた切るなんて御免だ…どうか無痛分娩が上手くいきますように!

 

そしてこの日の夜ご飯は、胃に負担をかけないようにおかゆが出ました。10倍粥といって、赤ちゃんの初期の離乳食と同じもの。当然は味はないし、美味しくない。それと具なし味噌汁のみでした。はやく美味しいものが食べたい…。

 

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手術後の2日間

傷跡はヘソ下から縦に15cmくらいでした。


手術中の恐怖感や不快感から解放されたものの、次は強烈な傷口の痛み…。

 

手術後から痛みが落ち着くまでの丸2日間が私は一番辛かったです。

 

お腹を切ってるんですから、痛いのは当たり前なんですけど、お腹の赤ちゃんへの影響もあり、鎮痛剤は最小限でしか投与できないみたいで…。

それでも陣痛の痛みに比べればまだマシですが。

麻酔が切れて少し足が動かせるようになってきた頃、夫と長男がお見舞いに来てくれました。

 

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いろんな管に繋がれ、痛みに苦しんでる私の姿に、夫は驚いていました。長男はよくわからない年頃なのが幸いだったと思います。母親の痛々しい姿なんて見たくないですし。

 

とても相手ができる状態ではなかったので、早めに帰ってもらいました。


食事と水分補給が禁止でしたが、点滴のおかげで空腹感も喉の渇きもほぼ感じませんでした。

 

トイレに行けないので、導尿チューブが繋がれていましたが、これが本当に不快。管が尿道に刺さってる感触が気持ち悪いし、導尿バッグに溜まる自分の尿を見るのも見られるのも嫌だし、尿が管を通って排出される時のあのキューッとなる感覚(上手く伝えられない)とにかく最悪でした。

 

そして血栓症を防ぐため、足に圧力をかけるフットポンプを巻かれたのですが、これが結構強い圧力をかけるかける。ウイーン、プシューッみたいな動く音も大きいし、今夜は一睡もできないと悟りました。

 

それでも前日の寝不足のせいで、睡魔はやってきました。けれど痛みが邪魔して寝つけません。看護師さんに伝えて痛み止めを打ってもらうことになりました。

 

この時人生初の筋肉注射を体験しましたが、痛いんですね〜〜びっくり。

 

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筋肉注射で少し痛みが和らぎ、2時間くらい寝られました。

 

次の日も朝から一日中痛みと戦い、夜中に一度だけ筋肉注射を打って束の間の睡眠。
できることは横になって時が経つのをひたすら待つのみ。思わず神頼みしてしまいます。

 

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卵巣嚢腫摘出手術 2

 

手術が始まってから、時間の経過がすごく遅く感じました。私は目を閉じて、違うことを考えながら手術が終わるのを待ちました。

 

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手術開始から40分、いやもっとかかったかもしれませんがそのくらいに、卵巣嚢腫が摘出されました。

 

「卵巣を残したまま摘出できましたよ。今からお腹閉じますね〜」

 

よし、あともう少しで終わりだ!と少し安心していると、看護師さんがカメラで何かを撮影していました。

 

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記録として私の腫瘍の写真を撮影していたようです。腫瘍の大きさは11cmもあり、見た目は土星みたいだと言われました。

 

お腹を縫っている途中、少しずつ痛みが出てきました。お腹を触れられたりする感触だけだったのが、糸でチクチク縫うような痛みも一緒に感じはじめました。麻酔が効いてるはずなのに、なんで?!とかなり不安に。

 

お腹を縫う作業はとてもとても長く感じました。チクチクして痛いし気分は悪いし、早く終わってくれ〜!いつ終わるんだ?まだか、まだか、早く解放してくれ〜!と頭の中で繰り返していました。

 

そして30分くらい経つと

 

「お疲れ様です。終了したので、お部屋へ戻りましょう。」

 

手術が終わり、そのまま部屋の中のベッドの上まで運ばれました。

 

この時胸より下からは麻酔が効いて全く動かせません。動かしたくても動かせないもどかしさは、麻酔が切れるまでの間、結構苦しかったです。

 

ベッドに運ばれると、心拍数の測定器やらフットポンプやら体に色んなものを繋げられました。

 

「このままゆっくり休んでくださいね。1時間ごとに様子を見に来ますから。」

 

そう言い残して看護師さんは部屋を出て行きました。この時、私のお腹は傷口の痛みがどんどん増してきていました。どうしよう、かなり痛い、やばい。

 

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卵巣嚢腫摘出手術 1

手術当日の朝。事前に渡された手術着に着替えて、部屋で看護師さんのお迎えを待っていました。

 

この時極度の緊張で2回リバース。

 

手術室まで案内され、そこで髪をまとめ透明な帽子を着用しました。

 

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そして手術台で横向きに寝かされ、海老のように丸まった状態で麻酔開始。 

 

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「麻酔を打ってる時は絶対に動かないでね〜位置がずれると大変だからね〜」

 

と言われ、絶対に動かないように固まる私。

 

麻酔は普通の注射より少し痛いくらいで、全然耐えられるレベルでした。(後日打つ筋肉注射の方が痛かった。)

 

麻酔を打って少し経つと、足全体の感覚が鈍くなっていきました。正座した後に痺れるあの感覚。

 

麻酔科の先生が、冷たい布巾?を鎖骨とお腹に交互に触り、冷たさを感じるかどうかを何回も確認していました。麻酔の効いてるお腹は全く冷たさを感じなかったです。しっかり麻酔が効いてよかった。

 

そしてついに始まる手術。もう私の心臓は今まで生きてきて一番の大暴れだったと思います。

 

麻酔は効いてるので痛みはありませんが、触れられたり引っ張られたりする感覚はあるので、不快感が凄い。

 

あと1時間もこの状態が続くのか…最悪だ…と考えていたら、あるものに目が止まりました。

 

それは

 

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真上にある大きな銀色の照明。

 

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丁度私の腹部の位置が反射していました。

グロ耐性のない私、地味にキツかったです。

 

入院、そして手術前日

 


先生や周囲の人との相談の上、入院日を決めました。入院日は12月26日、その翌日の朝から手術することになりました。

 

家族で過ごすクリスマス。

本来とても楽しいものですが、手術のことが頭によぎり、どうしても思いっきり楽しめません。


大好きなケーキを食べる時も心ここにあらず。

 

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そして入院日当日。


お昼ご飯を食べて夫と長男と共に病院へ。

 

部屋に案内され、看護師さんに


「今日からしばらくお風呂に入れなくなりますので、今シャワーを浴びておいてください。」

 

順調にいけば手術3日後にはシャワーOKとのこと。ということは、明日手術するからあと4日はお風呂に入れない。いつもより念入りに身体を洗っておきました。

 

そして内診、入院中のスケジュールの説明を受けました。

 

「今日の18時までに夕食を済ませていただいて、21時から絶飲食になります。歯磨き後のうがいは大丈夫です。」

 

「明日の9時から手術を始めます。全身麻酔は妊婦さんには使えないので、下半身麻酔をします。そして開腹手術で卵巣嚢腫を取り除きます。嚢腫だけ取り除くようにしますが、最悪卵巣ごと取らなきゃならなくなるかもしれません。」

 

卵巣は2つあるので、仮に1つなくなっても大丈夫みたいです。卵巣1つでも生理もくるし妊娠も可能なのだとか。

 

「手術の時間は大体1〜1.5時間くらいです。術後麻酔がきれてくるのが2時間後くらいかな。難しい手術じゃないし、怖がらずリラックスして挑みましょう!」


そして部屋に戻り、子宮の収縮を抑える点滴と栄養補給の点滴を打ちました。

 

夕食の前に夫と長男との別れ。

 

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これから10日間、離れ離れになってしまうけど、良い子にしてるんだよ、ママも頑張るよ〜

 

そして夕食を済ませ、母と面会を終得た途端暇な時間に。

 

普段なら今頃息子とお風呂に入って歯磨きして寝かしつけをして…と忙しい時間帯なのですが、息子を産んでから約2年ぶりの一人の夜。

 

明日は手術だし、久しぶりの一人の夜を満喫しよう!と、備え付けのテレビでfulu観まくってました。

 

ドラマや映画が見放題なので、入院生活は暇になることはないな〜楽しんじゃお〜なんて呑気に考えていました。

 

ですがいざ寝ようと思っても、明日の手術への不安でなかなか寝付けませんでした。

 

心臓がドキドキして眠れない→fulu→手術が怖くて眠れない→fulu→緊張がほぐれなくて眠れない………

 

翌朝6時頃

 

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寝不足のまま手術を迎えることに。

 

この時は今夜は手術の疲れでぐっすり眠れるかも?なんてアホなことを思っていました…

妊娠中に手術する事を決意


13週目に入った日。


里帰り出産するため、この日は実家近くの婦人科へ通う事になりました。

 

妊婦健診を終え、先生に腫瘍の事を伝えたところ、そのまま近くの病院でMRIを受けることになりました。

 

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MRIって、音が工事現場並みにうるさくて狭くて長くてしんどい!と聞いた事がありましたが、ヘッドホンで音楽を聴きながら受けたのでリラックスできました。

 

そして二週間後。

先生と今後の流れを決める事になりました。

 

MRIの検査結果で、嚢腫の位置と大きさはわかったが、良性か悪性かは手術して取り出してみないとわからないそうです。

 

「ほぼ良性だと思うけどね。取り出して顕微鏡検査しないと確実な事は言えない。このままだと、嚢腫が破裂したり捻れたりする事もある。12週以降なら赤ちゃんの器官が機能している頃だから手術できるよ。手術するのであれば、赤ちゃんが大きくなる前、遅くとも20週までにはする必要がありますね。」

 

私は今15週目、もう手術できる時期にきている…

 

「ですが、手術をするにあたって行う処置や薬、麻酔による流産や胎児への影響の可能性は否定できません。どうするかはあなたの判断に任せます。だけど…


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先生の自信満々の顔を見て、腹くくって手術する事に決めました。 

 

※私の場合は妊娠中に手術することになりましたが、出産後に手術される方も多いみたいです。

 

そしてもうひとつ不安なのは長男のこと。


入院期間は10日前後になるそうで、生まれてずっと私以外の人と寝た事のない長男は大丈夫だろうか。

 

10日間も離れて過ごさなきゃならないなんて。

 

辛い悪阻と重なり、気分は落ち込んでいくばかりでした。この時期は辛かったです。

 

だけど、手術を乗り越えればやっと普通の妊婦生活が送れる!と、なんとか前向きに考えるようにしていました。